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3. 利点と課題

利点

1)燃料が無尽蔵
重水素は海水中に無尽蔵。トリチウムは人工的に作れることから、燃料に困りません。特に資源の乏しい日本には最適な発電方法です。

2)原発のような暴走が無い
燃料の重水素とトリチウムは、外部電源が無いとくっつかない(核融合反応しない)ため、何か事故が起きた際は、核融合炉は止まるだけです。

3)安定電源、低CO2排出量
自然エネルギーとは異なり、24時間運転が可能です。また、運転中のCO2排出量は限りなくゼロに近く、原発と同等の低CO2排出量です。

欠点

1)放射化した廃棄物が発生
核融合炉の中心にあるプラズマからは、多くの中性子が発生します。この中性子がリチウムを入れたブランケットという鉄鋼材料の箱に当たり、鉄鋼材料が放射化します。そのため、ブラケットの交換時や、核融合炉が退役した際は、原発のように、廃炉に伴う廃棄物の処理が必要となります。処理法、処理場、貯蔵場の問題です。

2)トリチウムが放射性元素
トリチウムは、弱いベータ線を出す放射性元素です。よって貯蔵方法については、国際熱核融合炉実験炉ITERでの方法が、今後の核融合発電炉の貯蔵指針になると思います。水に容易に溶けるため、何か事故が起きた際は水に溶かすことも事故対応の一つです。取り扱うトリチウムの量から、原発事故のように広範囲の飛散は考えられません。

 

 

 

 

 

 

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