HOMEエネルギー問題を統括した New Enegry レポート

2011/6/4 24時間の定常発電

6/1の初回のレポートでは、星野毅が考える発電に関する新エネルギー三本柱について説明しました。より詳しく各エネルギーの問題点を解説したく、今回は、24時間の定常発電(下図の赤い四角の部分)について説明します。なお、地熱については将来性が厳しい立場にあることから、6/1の初回のレポートで確認するのみとし、説明を省略します。

 

火力発電

火力発電は既に成熟された技術ですが、発電機を工夫したコンバインドサイクル発電という、ガスタービンの力だけでなく、残る排熱を活用して蒸気タービンも動かし、二つのタービンの力で発電機を回し、発電熱効率を高めています。発電の温度も高くなり、高温のコンバインドサイクル発電の登場で、40年前より10〜15%も発電熱効率が向上しました。

しかし、将来、奇跡的に発電熱効率が100%に向上した場合も、限りある資源である化石燃料を使用することには間違い無いため、化石燃料の枯渇には対応できません。

また、化石燃料を使用することでCO2排出は避けられず、このCO2を除去する試験も実施されていますが、理想通りの成果が得られていないのが現状です。

結論は、京都議定書を満足する量のCO2排出量までの発電は火力に任せ、それ以上は化石燃料に頼らない発電を選択すべきです。

 

原発

原発は、重大事故さえなければA評価の成熟された発電方法と言えます。最新鋭の原発は発電出力が高く、安全性も高く、技術的には日本製の原発は品質の高いものです。但し、高温ガス炉等の、先進的な位置づけの原発は、現在も研究炉段階のため、実用化は遠いと想像できます。

よって、先進的な原発でなくても、安全対策を行うことで、原発の国内技術は自信を持って良いと思いますが、実は、この先が問題です。それは、使用済核燃料をどのように処理するかという点です。

世界の原発が増えるにつれ、使用済核燃料の処理は外国に頼むことが困難になりました。現在は、海外で処理できた場合も、処理後に日本に持ち帰らなければいけない状況です。そこで日本では青森県六ヶ所村に、使用済核燃料を処理する施設を作りました。当初の予定では、この施設にて使用済核燃料を再処理し、まだ使えるウランは原発で、再処理で得られたプルトニウムは高速増殖炉で使用する計画でした。

しかしながらこの計画は難しくなりました。まずは、再処理工場でのトラブルです。高レベルの放射性廃棄物を処理する工程(ガラス固化という工程)が、予定通りに進まず、現在も、この施設では、使用済核燃料の再処理が行えない状況が続いています。これでは、再処理したウランやプルトニウムの燃料は作ることができません。

更に、使用済核燃料の再処理ができた場合でも、ウランとプルトニウムを用いて発電する原発である高速増殖炉(もんじゅ)が、まだ発電実証段階であり、その実証試験もトラブルで計画が大幅に遅れています。そして、東日本大震災により、この高速増殖炉の安全性の担保が追加の課題となります。これまでの原発は、冷却材に水を用いて発電していましたが、高速増殖炉ではナトリウムを使用します。ナトリウムは、空気中の酸素や水と激しく反応するため、万が一の事故の際、対処方法が普通の原発よりもはるかに困難になります。残念ながら、この課題の解決には全く見通しが得られておりません。

結論は、原発自体は高度な技術を有していますが、使用済核燃料の再処理が困難なだけなく、再処理にて得られたプルトニウムを用いた高速増殖炉の成立に見通しが得られていないことから、将来性をCとしました。

また、使用済核燃料を貯蔵する場所には許容量もあり、原発を使い続けますと使用済核燃料が増え、新たな貯蔵所を建設しなければならず、貯蔵所の確保の難しさも将来性Cとする要員の一つです。

 

核融合

核融合は、核という言葉がイメージを悪くしていますが、実際は原発とは全く原理の異なる発電技術です。核融合の原理は核融合の紹介で確認でき、燃料が無尽蔵であること、事故の際は発電が止まるだけの高い安全性がメリットとなります。

この核融合ですが、今発電炉を建設するには、まだ技術不足であることは否めず、発電炉の建設が遠いことが一番の問題です。

核融合の紹介にも解説したプラズマを作る研究は、小さなプラズマを作るところから始まり、やっと実験炉を作る大きさのプラズマまで技術が到達しました。現在、EU、アメリカ、ロシア、中国、韓国、インド、日本の7極で、EU(フランス)に宇宙ステーションと同様な国際協力にて、国際的な核融合の実験炉(ITER)が建設中です。開発には時間を要していますが、着実に研究は進行しています。

但し、ITERが完成すれば発電炉ができる、という簡単な話ではありません。核融合炉で必要な燃料を作る部分の研究と、発電に必要な熱を作り、それを冷却材(水)に伝えて発電を行う研究は、ITERで初めて行う実験です。つまり、今まで実験炉が無く研究が進まなかった重要なテーマが残されていることから、核融合発電炉の実現より、リニアモーターカーに乗れる日が来る方が早いと言えます。

結論は、着実に研究は進行していますが、未だ実施されていない重要な研究テーマが残されており、今すぐには核融合発電炉を作れないものの、燃料が無尽蔵、事故時の安全性の高さを考慮した際、24時間の定常発電の未来として、とても有望な発電方式と言えます。

 

星野毅が考える24時間定常発電

24時間定常発電の現状、課題、将来性につきまして解説しました。当然、細かい問題や工程はたくさんありますが、まずは一番重要な点のみを挙げました。

課題はどの発電方式にもありますので、将来という点で考えた場合、核融合炉の実現を推進しつつ、火力発電をCO2の排出限界量まで使用し、CO2排出の観点から火力では不足の電力については、原発で電力を補てんすることが、現実であると考えます。

24時間の定常発電の将来は、核融合に託されている!!

このページのトップへ