2011/6/19 2020年の発電に関するエネルギーバランス
星野毅が考える新エネルギー三本柱ですが、約10年後の2020年、技術開発による発電に関するエネルギーのバランスの変化について説明します。
現在の発電エネルギーバランス
次の図は、資源エネルギー庁の資料より、現在の発電に関するエネルギーバランスを示した図です。火力61.7%、原子力29.2%、水力8.0、新エネ1.1%。太陽光は新エネの1.1%に含まれ、更にここには風力も含まれることから、すぐに新エネを増やすことの難しさがこの図だけでもわかります。
太陽光発電促進付加金が電気料金に含まれるようになりましたが、意外に安いと思ったのではないでしょうか。安い理由は、発電に占める太陽光の割合が極めて低いためです。
2020年の発電エネルギーバランス
技術が進歩し、2020年には発電エネルギーバランスがどの程度変化するかを予測します。
まず火力ですが、資源エネルギー庁のロードマップによると、LNG火力、石炭火力共に、技術開発により10年で5%の発電効率向上が期待できます。新エネルギーの太陽光についても、NEDOのロードマップでは、技術開発により10年で5%の変換効率の向上が期待できます。
しかし、それぞれ10年で5%の向上しか期待できないとも言い換えることができます。水力の発電効率の向上は不可能です。また、原発の将来的な代替エネルギーとなる核融合も実現が遠いのが現状。現在の技術では、2020年までに火力・原発を大きく削減することは不可能と言えます。
2020年までは省エネがメイン
発電技術の開発、特に新エネルギーの技術開発は、まだ研究開発・実証試験の段階のため、原発を増設せずCO2排出量を減らすためには、省エネ技術の導入が現実的となります。
家庭で太陽光、蓄電池、電気自動車が利用できれば、大きな省エネ効果を発揮するでしょう。この省エネ効果は、火力・原発の依存度をある程度低下させることに貢献できます。しかし、購入にはお金を要するため、現在の経済成長では、1つだけでも購入することは厳しいのが現実。それでも赤字覚悟のボランティアでの導入から始め、所得の増加と価格の低下を目指したいと考えます。
技術的には、より効率的に電気を蓄電できるリチウムイオン電池、より効率的な電気の利用が可能となるスマートグリッド(スマートハウスレベルで可)の本格的な普及が2020年までの重点課題です。
2020年までのエネルギー推進項目
新しいエネルギー技術の確立のためには時間を必要とします。しかしながら、さすがに40年程前の技術と現在の技術は大きな違いがあります。
最新鋭の火力発電所を導入することは発電効率のUPに貢献し、最新鋭の原発を導入することは原発1基あたりの発電能力と安全性のUPに繋がります。
また、太陽光、家庭用蓄電池(リチウムイオン電池)、電気自動車を組み合わせたスマートハウスなら、価格の問題は別とし、2020年までに普及は可能。
2020年までは、新エネルギー開発を行うと共に、実現可能な以下3点の導入を推進し、エネルギー問題を現実的に解決する方法を探ることが重要な期間となるでしょう。